
ESG経営とDE&I
■DE&Iが求められる理由
グローバル化や顧客の嗜好、価値観の多様化といった市場変化に対応するため、DE&Iの重要性がかつてないほど高まっているが、その本質・価値を理解した取組みは限定的である。ダイバーシティの推進によりイノベーションを起こし、業績も改善される効果が確認されている。
■ダイバーシティが担う3つの領域
ダイバーシティには、タスク型(能力、知識、経験)とデモグラフィー型(性別、国籍、年齢など)がある。ダイバーシティが真価を発揮する分野は、イノベーション、リスク管理、働きやすい環境づくりであり、それらはいずれも企業価値向上に貢献する。ただし、ダイバーシティの価値はインクルージョン(受容)のない環境では損なわれる。
■DE&I推進体制の構築
DE&I推進の組織改革であり、自然発生的に改善するものではない。クォータ制など一定の強制力も必要であり、そのため経営者が果たす役割が大きい。企業価値向上のために取り組むことであるとトップが訴えることで組織全体の取組みが始まる。これからは従業員をコストと捉えるのではなく、成長を生み出す資本と考えなければならない(人的資本)。
川嶋 治子 氏
Institute of Women’s Leadership代表取締役。 早稲田大学大学院卒・経営学修士(MBA)。外資系教育ベンチャー日本代表を経て現職。東京都女性ベンチャー成長促進事業APT Womenメンター、Coto World社外CHRO
