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REPORT 1

Photo by Yash Golwala / Unsplash

ESGの取り組みレポート:カナダの現状と発展予測

ESG取組みレポートは、カナダ企業が、グローバル化によってもたらされたサプライチェーン、税制、労働市場などに生じている様々な課題にどのように向き合っているかを紹介、解説します。

今回の記事は、カナダの経済界の現状と今後の発展予測など、ESGの取り組みをお伝えします。

ESGとは、企業がSDGsを実現し、長期的に成長するために取り組みが求められる視点、環境(E: Environment)、社会(S: Social)、ガバナンス(G: Governance)の頭文字をまとめたものです。 今後の企業経営においてESGの認識とその実行が重要とされています。

1965年に創刊されたArea Development は、北米(アメリカとカナダ)における企業の立地選定や移転に関するエグゼクティブマガジンの代表格です。Area Development は季刊誌で、44,000部が郵送されています。編集方針は、経営方針に影響を与える要因、課題や判断基準に関連する貴重な情報の提供です。独自にカスタムパブリッシンググループを持ち、クオリティ評価の高い雑誌、折込チラシ、パンフレットなどを有しています。

今回は、Area Development のWebサイトから記事は要約しておりますので、詳細はオリジナルをご覧ください。

Julia Stefanishina, and Elizabeth Pringle. “Navigating the Change: Business Location and Economic Development in Canada – Area Development.” Area Development, www.areadevelopment.com, 2 Aug. 2022, https://www.areadevelopment.com/Canada-Investment-Guide/Location-Canada-2022/navigating-the-change-business-location-and-economic-developmen-in-canada.shtml.

1. 変化をナビゲートする:カナダのビジネス拠点と経済発展(原題)

カナダ経済はコロナ禍の2年間で、経営を揺るがされる重大な問題を数多く経験しました。サプライチェーンの停滞と見直し、コロナ・COVIDの活動制限、通貨危機、政治的緊張と不安定さ、ESG法の改正など、メーカーは生産・物流施設用地の検討、見直しを迫られています。
2022年、製造業の上位課題は以下の通りです。

1 経済の安全保障(脱グローバル化)

2020年代は、世界経済が順調に成長しグローバル化が進んだ過去30年間とは大きく様変わりするでしょう。世界各国がパンデミック後の国内経済への見直しを図ると考えられています。
世界的な石油・ガス価格の高騰や資材不足から国も企業も自給自足を優先しています。その結果、カナダの管轄区域は、こうした動きに対応できるように土地の開発計画を進め、ビジネス機会の獲得を考えています。
獲得競争はすでに始まっており、カナダ政府のすべてのレベルが、FDIと経済成長を誘致する準備を進めています。
これまでの自治体や州の経済開発部門は小規模なマーケティングが中心でしたが、現在の経済開発部門は投資家と協力し、投資家のニーズや競争市場を理解することで、円滑な事業誘致を実現しています。
新しいビジネス経済開発機関は、戦略的に国内企業を支援し、グローバルなビジネスを誘致します。インベスト・オンタリオでは、先進的な製造業、ライフサイエンス、テクノロジー領域に焦点を当て、迅速にプロジェクトを進めています。オンタリオ州のインベスト・オンタリオは、投資とビジネス経済開発機関がどのように進化していくかを示しています。同様の動きは、アルバータ州、ケベック州、ブリティッシュ・コロンビア州など他の自治体にも広がっています。

2 サプライチェーンの混乱

コロナ禍の2年間、北米経済はサプライチェーンのリスクも抱えてきました。グローバルなサプライチェーンにリスクに対応するために、企業はより自国に近いエリアで安定したサプライチェーンの構築を考え、北米でサービスの一部にリショアリング/ニアショアリングの導入を考えています。
企業は将来の大規模なサプライチェーンの見直しに対応するため、保管施設の地域や分散配置など、経営戦略規模で検討する企業が増えています。具体的活動として、潜在的な生産拡大に向けた土地を購入またはリースの検討が農業、メーカー、エネルギーなど、さまざまな分野で動きが始まっています。

3 税金とインセンティブの傾向

コロナの終息によって、優遇措置や景気刺激策に関連する税法が変わります。企業は政府の動きを把握し、税制、控除制度の変更、温室効果ガス排出規制が企業経営に与える影響を及ぼすかを把握しなければなりません。
法人税と税制優遇措置の変更は、企業の設備投資計画に大きな影響を与える。今後の借入コストリスクの上昇を考えると、低利またはゼロ金利の融資優遇措置や、現金の活用が役立つ。
政府のグリーンエネルギーの目標達成へのプログラムが企業の投資を刺激し始めている。最近の例としては、以下のようなものがある。

クリーンエネルギー設備資本コスト引当金クラスの改正
  • 炭素回収・利用・貯留のための投資税額控除の導入
  • ゼロ・エミッション車のバッテリーや永久磁石の製造に使用される重要鉱物探査税額控除の導入案
  • クリーン燃料基金と低炭素経済基金を導入

各州の資本の獲得競争は始まっています。ケベック州のイノベーション税額控除(C3i)の延長や、イノベーション投資への税額控除などです。

4 ESGの継続的な上昇

昨今、幅広い業種の企業の拠点選定プロセスにおいて、ESGは重要な役割を果たしてきています。
カナダ政府は、2035年までに小型車と乗用車の販売台数の100%をゼロエミッションにするという目標を掲げています。この目標が企業の電子モビリティ分野の発展や、消費者の需要の変化を促しています。その結果、企業の生産需要を高めグリーンテクノロジー領域の成長を加速させています。
カナダでは、1976年にデータ記録以来、最も低い失業率を記録し、雇用の増加が人口の増加を上回り続けています。こうした状況の維持のためにも、政府はグリーンエコノミー企業などの法人税率の一時的な引き下げなどの優遇措置を導入し続けているのです。

2. まとめ

北米の企業は、コロナ前までのグローバリゼーションの流れを変え、国内、もしくは近くの国へ拠点を移すべく、サプライチェーンを見直しつつあります。
そうした動きに対し、カナダはコスト、訓練された労働力、言語の障壁がないなど、需要獲得の競争力を有しているため、多くのメーカーが、カナダへの進出や事業拡大に関心を示すと予想されます。

1 カナダ、活用のヒント

Photo by Jaimie Harmsen / Unsplash

企業がカナダでの経済活動を検討している場合の参考としてください。

ビジネスを行う文化レベル

カナダのビジネス文化はオープンで、信頼を大切しますが、一方、他の法域とは異なる可能性があるため、その違いを理解す
ることが重要です。
企業がアプローチする場合、交渉方法やプロセス、優先順位や KPIは州、地域、市町村によって異なる場合があります。

政府とサポートのレベル

すべての法域が新しい投資家を歓迎していますが、特に大規模な投資の場合、初期段階でプロジェクト スポンサーを確保し
て、サポートの提供を検討することです。プロジェクトのセクター、投資の規模、または希望する場所に応じて、1 つまたは
複数のレベルを処理する場合があります。

多様な基準を検討する

カナダに限らず、管轄区域の活用には、土地の入手可能性とコスト、労働力の入手可能性とコスト、サプライヤー ネットワー
ク、その他の要因を検討が必要です。したがって、税制優遇措置だけで管轄区域を比較することはできません。十分な情報に
基づいて判断しましょう。

私有地と公有地

最初のリストだけでは求める情報を得ることができません。私有地と公有地の両方の情報を得て総合的に判断し、公平なアド
バイスを得ることで、より良い取引を得ることができます。

地元のパートナー

あなたがカナダで活動するためのサプライヤー、協力事業者などを評価し、コスト/品質の期待を満たすサポートをします。現
地市場での代替案を確認し、それを様々な視点で検討して、十分な情報に基づいた決定を下すことが重要です。

佐藤 学 世界9カ国での数々の新規事業、新サービスの立ち上げ経験をもとに新規事業やマーケティングのアドバイザリーサービスを行なっています。アクセラス株式会社代表。経営者限定のラウンジ神宮前倶楽部にてコンサルもしています。アドバイザリーサービスのお問い合わせはFacebookやTwitterからメッセージください。 佐藤学

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